保存会第一回作業

「伊勢本街道保存会」 第一回作業

 平成21年7月11日(土)に、「伊勢本街道保存会」として、記念すべき第一回目の活動を行いました。心配していた雨は降りませんでしたが、蒸し暑い日の作業となりました。

 午前9時、近鉄榛原駅バス停に、今回の参加者12名が集合し、団結式の後、伊勢本街道沿いに佇む旧旅籠「あぶらや」に移動。
「あぶらや」の内部を見学させて頂き、貴重な史料など拝見させて頂きました(ありがとうございました)。
「あぶらや」さんからご許可を頂き、保存会共通の「しるべ札」を玄関の格子にかけさせて頂きました。共通しるべ札、第一号です。

 「あぶらや」さんを出て、いよいよ作業場に向かいます。今回、作業をするのは、伊勢本街道歩きを経験されたことのある方々が、「もう少し整備して欲しい」と口を揃える榛原の自明地区の笹薮。伊勢本街道中でも、最も早急な整備が必要と思われる箇所です。車道から一歩中に入ると、生い茂る雑草や笹が足元の細い道を多い、頭上も木の枝が覆いかぶさる獣道のような道になりますが、ここもれっきとした伊勢本街道。50メートルほどのわずかな距離ではありますが、道のすぐ下が崖のようになっているため、足元を整備しなければ、とても危険です。

 10時20分頃から活動開始。草刈機で雑草を刈ったり、鉈、刈り込みバサミなどで枝打ちをしたりしながら少しずつ整備していきました。7月ということもあって、思っていた以上に雑草の背が高くなり、葉を茂らせた木々の枝は重く垂れ下がっていました。雨期で、足元がぬかるんでいる場所があったり、すぐ下が崖なのに、刈り取った草の山で崖が見えなくなってしまっていたりで、ヒヤッとする場面も何度かありました。

 私はこういった作業経験は初めてでしたが、渡された道具は、身の丈ほどの長い柄の先に大きな鎌のついたもので、奈良では「下刈り鎌」「山刈り鎌」と呼ばれている昔ながらの道具だそうです。上から振り下ろして高いところにある枝を打ったり、鎌の部分を下に向けて、横になぎ払って笹などを伐採したりするのに用いるのですが、使い慣れていないせいか、なかなかうまくいきませんでした。四国遍路の保存活動をされている山下会長の手さばきは見事で、いとも簡単に枝打ちをしてみせて下さるのですが、私はよろけて空振りはするし、当たってもなかなか枝が落ちてくれないし。周囲に人がいなかったのが幸いでした(私の近くにいたら危険過ぎます)。

 途中で、メンバーの鹿谷さんが使っていらっしゃった、「もう少し使い易そう」に見えた園芸用の長柄バサミと交換して頂いたのですが、こちらもなかなか思うに任せませんでした。まず、重い。両手でハサミの柄を持ち上げるところまではなんとかなるのですが、ちょっと太い枝や笹を切ろうとすると、意外と力が要って、1回切るごとに息を切らしていました。もっとも、こんなことで悪戦苦闘していたのは私だけで、皆さん黙々と作業を進めていらっしゃったのですが。下刈り作業は大変そう、というイメージだけはあったのですが、実際に経験してみると、思った以上に難しく、体力も知恵も要するものだと痛感しました。

 最初見た時はどうなることやらと思った笹薮でしたが、榛原ボランティアガイドクラブの方々のご協力もあり、午前中には大方の作業を終えることができました。作業後、「しるべ札」を木の幹にくくりつけました。車道から逸れ、民家の前を通って旧道に入るのですが、伊勢本街道とは別に山林に入っていく細い杣道もあるため、伊勢本街道と分かるように、旧道入口には左右2カ所に札を吊るしました。いずれも、歩いてきて、目に止まり易い高さに設置しました。

 今回作業した区間には、この入口の2カ所に加え、途中1カ所、旧道出口付近に1カ所、札を吊るしましたが、会長の山下さんによると、本来は1キロおきくらいで吊るすのが理想的とのこと。少なすぎても「みちしるべ」の役を果たしませんし、多すぎても迷いながら歩く楽しみが減ってしまうから。今回は活動第一回目ということで、デモンストレーションもかねてちょっと多めに札を吊るしました。

 この他、榛原の池田さん宅の玄関にも札を吊るさせて頂いたので、「伊勢本街道保存会」の共通「しるべ札」は合計6カ所に設置されています。「しるべ札」はまだ試作段階ですが、旧道の木などにくくりつけるタイプ(白色)と、協力店や民家などにかけさせて頂くタイプ(クリーム色)の2種類があります。山下会長が四国遍路の保存活動での実績を活かして試作してくれたものですが、四国ではこれを見ながらスムーズに遍路歩きをすることができるそうです。伊勢本街道保存会の「しるべ札」も、皆さんのお役に立てると嬉しいです。

aburaya.JPG「あぶらや」さんの内部にて。奥様の説明を受けました。
rough.JPGまるで獣道のようですが、これが伊勢本街道(榛原自明地区)です。
IMG_5195.JPG道が見えないほど草が生い茂っていました。
IMG_5191.JPG地元の方々からお借りした電動草刈り機にはかなり助けられました。
IMG_5212.JPG作業後、保存会の「しるべ札」を設置。
tag.jpg左)山道や分岐点などに設置する白い札。右)協力店や民家などに設置させて頂く札はクリーム色。
IMG_5219.JPGお疲れ様でした。